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宇宙撮影に成功!

2015年8月「宇宙へ行こう!」プロジェクトチームは、成層圏まで私が制作した機体を打ち上げ、宇宙撮影に成功しました。

宇宙に向けてバルーンを打ち上げるためには、航空法や電波法など必ず厳守しなければならない法律があります。iPhoneなどの通信機器は飛行機に乗った時にオフにしなければならないように、飛行機の通信の妨げになる行為ですので違法です。ですからiPhoneのGPS機能を使うことはできません。その代わりに無線の電波から位置情報を特定するなどの工夫をしました。

そして、もしもフライト中の飛行機に当たれば最悪、飛行機は墜落の危険性があります。上空に何か物体を飛ばすには必ず管制局にいつ、何時に、どこで飛ばすのかを申請し了解を得なければなりません。そのような手続きをプロジェクトチームですべてクリアしました。

他にも安全面に考慮すべきことがたくさんあります。宇宙からの回収時はパラシュートにより減速をして落ちてきます。とは言え、安全に落ちてくる保証はありません。勿論、落下実験を行い、確実に減速できるようシミュレーションはしていますが、万が一パラシュートが開かないことも有りえます。軽い機体ではありますが凶器にもなります。そのリスクを回避するため、日本で一番人口密度の低い北海道阿寒湖近くを打ち上げ場所に設定しました。ほぼ人がいない落下地点を想定し場所を選定しました。

また、危険性のことを考えると、ゆっくり落ちてくる方が良いと思われるでしょうが、落下スピードが遅いと風に流されます。上空ではジェット気流が流れていますので、簡単に数百キロ流されます。落下スピードと安全性をとことん追求し機体を制作しました。

宇宙ではマイナス50度〜70度になります。その温度で電子機器を正常に作動させることは、限りなく難しいことです。これも数々の実験を繰り返し、飛行中はバッテリーが持つよう工夫をしました。

他にも乗り越えるべき障害はたくさんありました。

 

そして、迎えた打ち上げ当日。

 

若干の風は吹いていましたが、私達の手から離れた機体は1分もしない間に雲のさらに上空へ、吸い込まれるように消えていきました。すぐに位置情報を無線電波から特定しようとしましたが、2つのデータを受信しどちらが正しのか?!という状況に陥りました。その一つのデータでは打つ上げ地点から数百メートルの場所でした。

 

ということは。。。

 

早々に墜落したのか???

 

位置情報をもとに周辺を探し回ります。探すと行っても背丈以上ある牧草地の中です。ドローンなどを使って空撮ができれば良いのですが、そんな機材はありません。人海戦術で探すしかありません。おまけに牧草地の中から蜂が襲ってきたり、もう大変でした。

その後、あたり2kmくらいの地域を数時間探しましたが、見当たりませんでした。ということは、

 

宇宙まで行ってる!

 

期待が生まれた瞬間でした。無線機器を積んでるとは言え、電波が届くのは地上から飛行機が飛ぶくらいまでの高度です。それ以上上空ではまったく機体がどこを飛んでいるのか、わかりません。シュミレーターを使って予想はしますが、現実の宇宙状態は全くわかりません。

飛行時間は予想では2〜3時間程度。そろそろ期間しても良い時間。この時には若干の無線電波を拾うことができ、それを信じて落下地点を予想し車で急いで移動。

捜索

捜索

捜索

捜索

捜索

捜索し続けたものの、我々のプロジェクト実施期間内には、見つけることが出来ませんでした。

 

が、しかし!

 

諦めるという選択肢はありません。一旦北海道からそれぞれの家に戻りましたが、また改めてメンバーが捜索のために北海道に渡り1週間ほど、日の出から日の入りまで広大な北海道の牧草地をくまなく探しました。探すと言っても甲子園球場の20倍くらいだったでしょうか、ひたすら捜索をしました。ですが、残念ながらその時も見つけ出すことはできませんでした。

ですが、数日後一本の電話がメンバーに。

 

「これ海で回収したのですが、あたなのものではありませんか?」と。

 

無線電波の所有者を特定し、連絡をくれたのです。その後、機体を送ってもらい、記録メディアであるSDカードをカードリーダーに取り付け、

 

再生できるか。。。

 

ドキドキ

 

ドキドキ

 

ドキドキ

 

再生ボタンを押すと!!

 

 

映っていました!!!

ちゃんと、打ち上げから海に落ちる瞬間まですべて鮮明に撮影されていました。

もう感動です!!!

宇宙では当然太陽の光をさえぎるものはありません。本当に強い太陽の光を映像を通して見ることができました。本当に眩しく生命の根源のような気がしました。

そして宇宙からみた地球の感想は、「地球は丸く青かった」ではなく「地球は丸く白かった」が私達の見た事実でした。そう、雲に覆われていたんですね。

 

私達の機体はオホーツク海に落下していました。もうすぐロシアに入るギリギリのところで拾われました。もう以上タイミングを逃すと回収できない状態でした。成功を喜ぶには最高の前振りとなりました。

私達が大切にしている言葉があります

 

「結果は想いの総量」

 

まさにそれを感じた瞬間でした。

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