なぜ教師の道を選んだのか
教師の道を選んだ理由は、いくつかありますが、その一つは社会における一番小さなコミュニティー(単位)である家庭を見ることでした。それが自分の将来にとって重要だと考えたからです。人間の成長は家庭と学校という社会、その他の環境により変化していく、その関係性を知りたかったのかもしれません。
教師の仕事は多岐に渡っています。大きくわけると教科指導と校務の2つです。
教科指導とは
教科指導は自分の専門分野の指導です。一般的には、国語、英語、物理。。。とかですね。私の勤め先は美術に特化した専門学科を設置した高校でした。そこで染織を教えていました。将来、作家として活躍できる考え方を作品制作を通して教える仕事です。
校務とは
校務とは、学校運営をしていく上でやらなければならない、進路指導、生徒指導、教務、保健室、などの業務です。生徒の進路意識を高めるための工夫をしたり、学園祭などの生徒の自主的運営を促すであったり、時間割や教室配当の調整をしたりと書ききれないくらい、やることはたくさんあります。もちろん担任という役割もありますね。
多岐にわたる仕事内容と難しさ
そんな中で僕はありとあらゆる仕事をやりました。ワープロ全盛期だった時代、パソコンでの仕事に挑戦したり、生徒の家庭で何かあれば駆けつけたり、自分の成長ために、学校のために他の人がやらないことを引き受けてやり続けました。
教師という仕事はなかなか難しい側面があります。社会からの目が厳しく身動きが取れない難しさ、教育という結果の表れにくい仕事内容、公務員という安定した給料体制からくる弊害、教師として自らを律し続ける難しさ、激変する社会に対してどう対応するか、などなど。
このように 学校現場は様々な課題を抱えているのが現状です。そんな中で私は経験できることは全てやろうと心に決め、21年間の教師生活の中で、様々な校務を経験しました。他の先生ができない事や抵抗を示すような事はすべて引き受けやるよう心がけました。その結果、たくさんのことを学ぶことができました。
学年主任、進路部長、教務部長など、学校運営の要となる仕事を率先してやり、数々の記録をつくりました。学年主任の仕事は、受け持った学年を3年間を通して、人としての成長、学力の向上を図り、希望する進路を実現させられるかが重要です。
世の中が学校に求める一つの指標して進路実績があります。希望する進路が実現するかどうかです。私の務めていた学校では不景気ということも後押しをして国公立美術系大学に進みたいという希望が多く、その実現に向け、受験に勝ち抜くために「技術的な側面」と「人としての成長」この2つが重要だと考え、指導に工夫に凝らし尽力しました。その結果、日本全国でも今まで見たこともない素晴らしい結果を出すことができました。また、ホームルームクラスの生徒の満足度アンケートでは、「満足」の回答が100%という数字も出しました。他にもたくさんの記録をつくることができました。