坪ビジネス

空きスペースを活用した坪ビジネスのメリットとデメリット

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メリット、デメリットをしっかりと抑え坪ビジネスを成功させましょう!

坪ビジネスについての概要は下記記事でお伝えしました。空きスペース、もしくは狭小スペースを利用してのビジネスを始めるにあたって、やはりメリット、デメリットがあります。それをちゃんと抑えた上で始めることが大切です。この記事では坪ビジネスのメリット、デメリットを紹介します。

空きスペースを活用した坪ビジネスとは

  私が行なっている”空きスペース”を活用したビジネスとは、ビルの倉庫や階段下スペースを有効活用してビジネスをする方法のことを”坪ビジネス”と読んでいます。要はビルの空いているスペースを使っ ...

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空きスペースを活用した坪ビジネスでの「メリット」

家賃が安くなる

なんと言っても狭小スペースの有効利用だからゆえに貸すことを前提としていないスペース(=お金を生むすスペースとは思っていない。)だからこそ、安い賃料で借りられる可能性が高いです。通常のお店のようにイートインスペースとお客さんにサーブするための量を提供する厨房スペースとなると最低でも10坪以上は必要でしょう。しかし、テイクアウト形式での販売や占いなどをする場合は1坪~2坪あれば充分です。また3坪もあれば5人~8人くらいのお客さまの席を確保した飲食も可能です。

そう考えると1坪~3坪ほどのスペースですから、賃料は必然的に下がることになります。前例がないからこそ、交渉の余地がありますし、貸し側にしても本来なら寝かしているスペースから収入が得れるのですから、WinWinの関係が成り立ちます。もう一つのメリットとしてまだ”坪ビジネス”が日本に定着していないからこそ、候補地はたくさんあります。もし、交渉が成立しなくても、同じような物件は他にもあると思いますので、その1件にこだわってあせる必要もなく、強気で交渉できるというメリットもあります。そのような意味でも一物件に限らず候補をいくつか持って、そこから絞り込むと良いでしょう。

実際に借りる時には、ビルオーナーと折衝する必要があります。ビルオーナーは階段下や空きスペースをそもそも貸そうという発想はありません。それを最低限の改装工事をする必要はありますが、定期的に安定収入が確保ができるのですから、オーナーにとっても良い話のはずです。ただで寝かしておくよりもお金を生み出すなら貸したいと思う人は多いのではないでしょうか?そして、使わないスペースだからこそ、安く借りることができる可能性の泉なのです。

 

人件費が必然的に安くなる

狭小スペースであるため、物理的にもお店に入れる人が1人~2人と限られます。もちろん業種やどのような販売形態を取るかにもよりますが、効率のよい導線になるよう機器の配置、家具の配置をすれば、1人でも充分回すことができます。狭いという制約を生かすことで無駄のないオペレーションを構築することができます。経営において人件費は、どの業種においてもかなり重要な要素です。狭い利点を生かせば少人数で運営することができ、それにより利幅が増えます。

 

開業にかかるコストダウンが図れる

店の規模が小さいだけに大掛かりな改装費をかけることなく開業できます。DIYが得意な人であれば電気やガス、水道といった専門的工事は別として自分で改装することも充分可能です。なので他店とは違うオリジナリティ溢れるお店にすることも。内装も表面積が少ないため材料代や手間も少なくて済みます。スパークリング嵐山の壁紙は100円均一の壁紙シールを使用し500円で済みました。私の貼る技術が良かったので数万円の壁紙に見えます!(笑)

専有面積が少ない=大きな厨房機器を入れられない。厨房機器も大きさに比例して価格が上がります。狭い=小さな厨房機器を揃えなければならず設備価格も下がります。狭小スペースだからといって特殊なサイズの厨房機器をオーダーする必要はありません。厨房機器メーカーには様々な大きさのものが取り揃えていますので、安価で購入することができます。場合によってはリースという方法もあります。これも特殊サイズが必要でないからこそのメリットですね。

面積が少ないため、電灯の数も減ります。最近はLEDですので、電灯に関する電気代では差が出にくくなっていますが、それでも1〜3坪での電気使用量と20坪くらいある店とではランニングコストはかなり変わるでしょう。

冷暖房機器も大型のものをいれると50万~100万程度費用がかかります。坪ビジネスの場合は、そこまでの冷暖房機器を入れる必要がないため、ここでもコストが下がります。また、電化製品の交換時期もいつか来ます。その時も面積に応じた機器の数の製品を交換しなければなりません。これもバカにならない費用がかかります。

ココがポイント

固定費が安いので利益率があがり、起業当初からの利益を出しやすい。

開業コストが通常の開業コストに比べかなり安価で済むことと、上述のように地代、人件費など毎月の固定費の負担も減り、利益のだしやすいモデルとなります。

 

空きスペースを使った坪ビジネスでの「デメリット」

イートインスペース確保の難しさ

1坪程度のお店になるとどうしてもイートインのスペース確保ができません。そのためテイクアウトでの販売がメインになります。テイクアウトの方が税率がを考えるとメリットでもありますが。もし3坪もあれば7〜8名のイートインスペースを確保し立派な対面での店を作ることができます。実際、店主を中心に180度囲むようなカウンターを設置して居酒屋を営んでいるお店もあります。

 

客単価が低くなりがち

1坪となるとテイクアウトという販売形態になってしまうことから客単価をどう上げるかが一つのポイントになってくると思います。これは飲食を想定してのことですが、一般的なお店では食事にともないサイドメニューを頼んだり、飲み物の追加オーダーがあるのに対して、テイクアウトでは、販売の機会が1度しかないために、その1回での客単価を上げる工夫が必要になってきます。

 

有在庫販売が難しい

在庫を保管するスペースがないため、主に物販になりますが有在庫販売には向きません。ただし、保管時にコンパクトに折り畳めるようなもの、アクセサリーのような小物、簡単に組み立てて販売できるようなものであれば別です。

 

ココがポイント

物理的に狭いので収容人数や在庫保管には限度があります。

 

面積に関係なく生じること

設備工事項目としては変わらない

メリットの所では、内装工事は壁面積が少ないため安価で済むと書きました。配管(水道、ガス、電気)工事に関しては、道路からの距離や工事範囲が小さいため多少安くはなるものの、工事項目としては、通常の工事と同じです。ですので、少しは安価になりますが、ほぼ同じ費用がかかると考えておいた方が良いと思います。

 

冷蔵庫などの設備の電気代は少しやすいくらい

これもスペースが小さいことで、必然的に使用量が減るためにコストも下がる傾向にあります。ただ、少し気をつけなければならないのは電気代と水道代です。電灯やエアコンなど専有面積に比例するものに関しては、大幅なコストダウンが期待できますが、お店を営業していく上で最低限必要な機器、冷蔵庫、冷凍庫などに関しては、大幅なコスト削減にはなりません。水道代も同じく、店が小さいからといって水の使用量が減らない業種の場合はコストダウンは難しいです。

 

営業許可を通すための設備は変わらない

飲食店をするためには、保健所から営業許可をもらう必要があります。これに関しては、お店のスペースに関係なく、必要な設備は全て入れ検査に合格しなければなりません。狭いスペースに基準となる機器をどう収めるか工夫とアイデアが必要になります。

スパークリング嵐山の場合、階段下のスペースを活用しています。一例をあげると、冷凍冷蔵庫を階段のステップの下に収納したのですが、工事の時に少しでも天井高を稼ぎたい思いから地面のレベルを少し下げました。そのことにより階段の1ステップ分奥に収納することができ横幅で20cmほどスペースを確保することができました。その空いたスペースに製氷機を入れることができたので、かなりスッキリと各機材が収まりました。そのような数センチのせめぎ合いをしなければならないのも坪ビジネスにおけるレイアウトの面白さです。

前述のように設備項目の数は変わりませんが、設備の縮小によるコストダウンは図れます。

まとめ

このように当然のことならがメリット、デメリットがあります。メリット意外のことについても書きましたが、総じて標準的な敷地面積のお店よりも開業コスト、ランニングコストが安くつき、それに伴い利益率の良いビジネスモデルになります。なので、これから独立起業したい方や2つ目め3つ目の事業としてもリスクを最小限に抑えた展開しやすいビジネスモデルです。

大学を卒業してから自分で飲食店を始めたい、脱サラで新しく人生を切り開きたいといった方にとっても、とても良いモデルだと思います。

企業も最近は大きな店舗経営から小さな小回りのきく店舗経営へと戦略を変えている企業も多くなってきていると聞いています。

ですが、もちろん安易に始められるという意味ではなく、ちゃんとした事業計画のもと、ブランディングと戦略を立て強い意思でやりぬく気持ちが必要です。

ココがポイント

・開業コストが下がる=利益率が上がる
・ランニングコストが抑えられる
・水道代はあまり変わらない
・物理的制約から在庫販売には向かない

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  • この記事を書いた人

Kawamura Hiromitsu

「教育」21年間公務員として教鞭をとる→「モナコ滞在」にて映画のような日常を知る→起業し事業を営むかたわら社会貢献活動にも力を入れている。モナコをはじめヨーロッパと日本を行き来する生活を送り人生を愉しんでいる。

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