宇宙からのプロポーズ

家が移動する?!その正体は??

数々の問題をクリアし、風船ロケットは完成した。カメラやデジタルフォトフレームなど極寒での電子機器、無線機、草むらの中など目視で見付けられない時のためのアラーム、降下時に開くパラシュート、予備バッテリーなどすべてを搭載し動作確認もできた。機体の大きさは直径約30cm程度の球体で、素材は発泡スチロールだ。万が一海に落ちても浮く。

この風船ロケットを製作した変態の部屋は、ある意味カオスと化した宇宙状態になっていた。

その数日後、変態は打ち上げのため集合場所である東京に新幹線で移動した。風船ロケットを風呂敷に包んで運んでいる様子は、ちょっと大きめの遺骨を運んでいるような姿であった。宇宙のもくずにならないことを望む。

そして、このチームメンバーは日本全国に点在している。西は大阪から東は東京に在住していた。北海道で打ち上げるために東京で集合して皆で北海道に向かうことにした。

 普通なら移動手段は飛行機と車を乗り継いでと思われるだろうが、これまた凄い!エクスプローラーズクラブで所有している巨大なキャンピングカーでの移動である。キャンピングカーと言っても想像をはるかに超える大きさで、大型観光バスと同じくらいの巨大キャンピングカーである。わかりやすく説明するためにキャンピングカーと書いたが、実際にはモーターホームと呼ばれている。動く家だ。そしてこのモーターホームのことを我々はジェームズと呼んで仲間の一員として大切にしている。

ここでまた話は逸れる。

というのは、我々は一つのこと(今回で言えば宇宙へ風船ロケットを打ち上げること)だけを効率よく実行するのなら、飛行機で移動すれば良いワケだが、それをしても面白みがないので、どうせやるならとことん遊ぼう!というのが我々クラブのスタンスである。

なので、わざわざ巨大モーターホームを走らせての東京から北海道への移動となるワケだ。

で、このモーターホーム、凄いのは停車時に室内が横方向に拡張できるのだ。スイッチを押すことによって自動でリビングの箱が横にスライドして室内空間が約2倍ほどに拡がるのだ。そして、その内装はクラブメンバーの手入れにより赤いベルベット調の壁紙が貼られており、ソファーもある。とても素敵な寝室もあり、クラブハウスが移動しているようなものだ。

因みに一度ガソリンを満タンにするだけで支払いは10万円を超える。彼はガソリン食いのモンスターだ。

そして、ゆく先々では、その大きさと異常に迫力のある出で立ちから必ず注目の的となる。我々が降りていく瞬間、周囲の注目を集める。なんともいい気分だ。

きょそのジェームズに東京からボスを含め10名ほどが乗り込み、北海道を目指した。(続く)

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  • この記事を書いた人

Kawamura Hiromitsu

「教育」21年間公務員として教鞭をとる→「モナコ滞在」にて映画のような日常を知る→起業し事業を営むかたわら社会貢献活動にも力を入れている。モナコをはじめヨーロッパと日本を行き来する生活を送り人生を愉しんでいる。

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